2024年1月15日 (月)

GraXpertをPixInsightから使う

このところ、GraXpertというカブリ補正ソフトが大人気です。高性能なのに無料ですのでその理由がうかがえます。しかし、スタンドアロンで動作するので画像処理ソフトから一旦吐き出さないと使えません。そのために行ったり来たりするのも不便です。と思っていたところ、PixInsightに組み込んで直接GraXpertを呼び出すことができるという情報を聞きました。やってみようと調べたのですが、本家のサイトには書いてありません。日本のサイトにはほとんど情報がありません。Youtubeに海外の方がアップした動画がいくつかありますが、肝心なところがよくわからない。そもそも動画の解説って冗長な情報が多くて本当に知りたいことにはなかなかたどり着けないのであまり好きではありません。それでもその動画や、いくつかのフォーラムを眺めていたらようやくわかりました。簡単にまとめてみましたのでご紹介します。ただしWindows版です。すでに皆さん知っているであろう知識は割愛しています。

GraXpertの最新版をダウンロードしてインストールします。
PixInsightを起動します。
RESOURCEメニュー → Update → Manage Repositories を開きます。
Addボタンを押し、URL欄に下記URLを入力します。
https://www.ideviceapps.de/PixInsight/Utilities/
OKで戻ったら、RESOURCEメニュー → Update → Check for updates を開きます。
Applyボタンを押し、組み込みます。
完了したらPixInsightを再起動してアップデートします。
SCRIPTメニューのToolBoxにGraXpertが入っていますので呼び出します。
最初の一回だけGraXpert本体へのパスを設定する必要があります。
スパナマークを押すとダイアログが現れますが、ここではNoを押します。
GraXpertの本体を指定します。通常は下記のフォルダにあります。
C:\Users\個人フォルダ名\AppData\Local\Programs\GraXpert
これでPixInsightからGraXpertが利用できるようになりました。

さっそく過去画像で効果を試してみました。

N891

光害カブリとも言えない変なカブリで、DBEとかではなかなか取れず苦労したものですが、クリック一発でここまで改善しました。スタンドアロン版よりはパラメーターも少なく、AIに任せるしかできませんが、面倒くさがりな私には十分な性能です。春の銀河まつりに早く活用したいですね。

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2023年12月28日 (木)

こんなこともできるんですか

BXTのAI Ver.4がすごいすごいと話題ですが、カメラレンズではどうなのかなと、こんな画像で試してみました。

20210212a

これはお遊びでモノクロCMOSカメラにHαフィルターを付け、広角ンズで撮ったものですが、干渉フィルターは斜めから入る光には弱いです。それでこんなひどい星像になってしまいました。こんなものまで補正できるのかいな、と半信半疑でやってみました。

20210212b

なんと!あのドーナツ状だった星までちゃんと丸くしてくれたではないですか。はっきり言ってすごいと思います。しかしよく見ると暗い星までは処理してくれていません。ある程度の明るさがないと星とみなしてくれないのですね。逆に一生懸命考えてくれているんだ、と安心した気分です。

超広角レンズの歪曲歪みによる、放射状の星はどうなるかと試してみましたが、そっちはあまり効果がありません。それは当たり前なんだからできないよ、と言われているような気がします。

ひどい星に関しては頑張るけれど、元々良好な星像にはあんまりやってくれないような感じがしています。いろいろ試していると癖がわかってくるのかもしれないですね。

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2023年12月24日 (日)

BlurXTerminator AI version 4の威力

BlurXTerminator(BXT)のAIがversion 4になり、その効果で巷が大騒ぎになっています。どんなものかと私もさっそくアップし試してみました。

M12

M1042

Ngc253

かに星雲のフィラメント構造がすごいです。ここまで細かく出るとは思いませんでした。明らかに違います。シーイングはよくなかったのですが、それを見事にキャンセルしているように感じます。version 2との比較はこちら

ソンブレロは結構トリミングしているのですが、暗黒帯の微細な構造がはっきりしていますし、円盤部の模様もなんとなく見えている気がします。

NGC253も低空で条件も悪く、枚数も少なく決して満足いく出来ではなかったのですが、特徴ある複雑な構造をしっかり出してくれました。ガイドミスや、光軸があっていない故のいびつな星像もきちんと丸くしてくれています。

画像処理にここまで任せていいのかと、賛否両論あるようですが、私のような機材調整を突き詰めるのが苦手な人間にとっては恩恵は計り知れません。星見人生そんなに長くないので、せいぜい活用して楽しもうと思います。

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2023年7月14日 (金)

便利なFitsView

今まで画像フォーマットをFitsでなく、TIFFにしていた理由のひとつが、パソコンで気軽に開けるビュワーがなかったことなのですが、いろいろ探してみて自分に一番ぴったりなのがやっと見つかりました。ASIFitsViewです。

20230714-234327

これはZWOの製品のためのASIStudioという、撮影からオートフォーカスまで、簡易でありながら多機能を備えた統合型天体撮影ソフトに入っているひとつの機能です。ZWOのウェブサイトから無料でダウンロードできます。様々な機能についてはここでは述べませんが、この中にASIFitsViewがあります。ASIStudioをインストールするとFitsファイルがデフォルトでASIFitsViewに関連づけられます。Fitsファイルをダブルクリックするだけで素早く開くことができます。自動的にストレッチもしてくれますので写っているものをすぐに確認できます。さくさく動くし、かなり便利。機能は少ないですが、プレビューだけできればいいので十分です。Windows標準のフォトビューアー並の手軽さで、こういうのを求めていました。ASIStudioのほかの機能は使わないのですが、単独でASIFitsViewだけをインストールすることはできないようです。プログラムの中からASIFitsViewの実行ファイルのショートカットをデスクトップ上に作りました。Fitsファイルにプレビューアイコンをくっつけてくれればいいのですが、それは贅沢というものでしょう。ともかくこれで今後はストレスなくFitsファイルを扱えそうです。

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2023年7月 9日 (日)

ヒマなので再処理

ずっと雨続きで星関係はなんにもできなくてヒマなので過去画像を再処理してみました。元の画像はこちら

202208284_20230710232801

データは元のページを参照。変わった感を出すために画像を回転させて俯瞰してるみたいにしてみました。

今持てる画像処理ツールをみんな使ってみました。ノイズ処理かけ過ぎか、ちょっとのっぺりしてしまいました。色だけはどうしてもパープルさが抜けません(パープル成分抜いてみました)。本当はもっと青っぽくしたいのですができません。まあ、これはこれでカラフルなのでいいことにします。新月期に向かっていますが、しばらく撮影できそうな様子はありません。

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2023年6月14日 (水)

一歩一歩・・・

今日も過去画像を再処理してみました。

202305102_20230614233201

前に処理したのはこちらです。

BXTを使っていますのでやや鮮明に、星も小さくなっています。ノイズ感は少しありますが意図的です。のっぺりしすぎるよりも若干ノイズを残した方が鮮明度が上がると思っています。まだまだ不満はありますが、前のよりは進歩したでしょうか。

今回はNINAが出した画像をそのまま使わず、ステライメージでコンポジットしたIRとRGBのモノクロ画像を使いました。NINAが出したものはWBPPの処理が失敗します。大幅ガイドミスと、上下逆さまの画像が入り乱れていたせいかもしれません。ステライメージの画像はきれいに読み込んでくれましたが、RGBのChannelCombinationができませんでした。これはStarAlignmentで解決できました。ほかにも今日はノイズ除去のACDNRを覚えました。毎日新しい発見があります。まだまだ高度なことはできませんが、ステライメージでできることはだいたいできるようになったみたいです。しばらくは過去画像を引っ張り出して練習してみます。

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2023年6月11日 (日)

BlurXTerminatorの威力

PixInsight(PI)を使い始めたばかりなのにおこがましいですが、BlurXTerminator(BXT)を入れてみました。トライアルバージョンですが。私にはまだ早いと思っていましたが、tantanさんのところで実演していただいて、使うだけなら簡単そうなので入れてみることにしました。組み込み方が最初ちょっと悩みました。どこにもファイルをダウンロードするところがない。よく見たらPIのアップデート管理のメニューに指示されたURLを入力してアップデートを実行するという、ちょっと変わったやり方でした。作法に従ってモノクロ画像をストレッチする手前で行います。いわゆるリニア画像のうちに。わからないのでパラメーターはデフォルトのままです。対象はBXTを導入したらまずやってみたかったM104です。

処理前

No_bxt

処理後

Bxt

おお、暗黒帯のディテールが細かく現れました。星も小さくなっています。枚数も少なく、モノクロオンリーで素材的にはいまいちですが、効果のほどは見て取れます。試用期限が来たらどうしましょう。たぶん買うんでしょうけどね。

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2023年6月10日 (土)

M83を再処理

PIの勉強がてら、過去画像を再処理しています。南の回転花火、M83です。

M83_sd

4月29日に載せた最初の処理とは格段に違います。低空で光害地、枚数も少なくおまけに電線に引っかかるという最悪の素材でしたが、ここまでリカバリーできました。PIは魔法のツールではないかと思ってしまいます。とはいえ、手順はでたらめです。まったくセオリーがわかっていません。ABEやDBEでもカブリがうまく取れず、FlatAide Proに受け渡してしまいました。PCCも失敗します。その辺がちょっと情けない。暇があったらいろいろと動画を見て勉強します。

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2023年6月 6日 (火)

初めてのPixInsight

PixInsight(PI)を導入してやっと初めての作品?ができました。5月16日、超新星増光前のM101です。

202305162

HD800+0.7倍レデューサー(約1400mm)、ASI533MM Pro(約-10℃)、NINA、LRGB合成(L GAIN100 450秒×8枚 ビニング1)、(R GAIN100 450秒×4枚 ビニング2)、(G GAIN100 450秒×4枚 ビニング2) 、(B GAIN100 450秒×4枚 ビニング2)、EQ6PRO、TOAGでオフアキ、ガイドカメラQHY5III178M、PHD2 Guiding、PixInsight、Photoshop CS6で画像処理、トリミング

一通りの手順をtantanさんより直伝いただきました。ありがとうございました。

新しい機材やソフトを導入したときはブログで公表するのですが、今回はしませんでした。使えなかったら恥ずかしいからです。ようやく1つなんとか形になりました。しかし機能の1%も使っていないのではないかと思います。機能が多すぎます。ある処理をしたいと思っても情報がなかなかありません。ネットに記事があってもバージョンが古かったり、動画を見ても専門的なことが多く、本当に知りたいやり方が見つかりません。今回最もつまづいたのが、ホットピクセルの除去の仕方。WBPPで前処理した後ではCosmetic Collectionで消せません。WBPPの処理の中でCosmetic Collection を実行しなければならないのですが、具体的なやり方がどこにもありません。さんざん探し回ったあげく、日本人のかたのブログでようやく発見しました。WBPP実行前にCosmetic Collectionのインスタンスを作って、それをTemplateに登録します。その方もずいぶん悩んだみたいです。わかるかたにはわかるのでしょうが、いきなり初心者への洗礼を受けた感じです。まあ、すべてがこんな感じでひとつの処理を行うのにまず検索してやり方を見つけなければなりません。ようやくひとつ形になりました。感想としては確かに難解ですが、一度覚えてしまえばステライメージでは難しかった処理が一発でできてしまうこと。慣れてしまうとステライメージには戻れないという、ベテランさんの言うことも頷けます。この画像の色も今までのステライメージでは出せなかったのでちょっと感動です。実はHαも撮ってあるのですが、加算の仕方がわからないのでやっていません。Pixel Mathというプロセスを使うらしいですが、せっかくtantanさんに教わったのに忘れてしまいました。勉強してできるようになったら画像を追加したいと思います。


即興でHαを加えてみました。

202305163

RGB画像にはNBRGBCombinationを使って、L画像にはPixel Mathを使ってHαを加えてそれらをLRGB合成してみました。確かに赤ポチははっきり出ましたが、どちらがいいかというのは微妙ですね。まあ、練習です。もっと精進します。

 

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2022年10月 6日 (木)

象の鼻の先っぽ

あの、IC1396の中にある有名な象の鼻の先っぽです。

202210012

HD800(約2000mm)、ASI533MM Pro(約-10℃)、撮像ソフトNINA2.0、S(GAIN200 450秒×4枚 ビニング2)、A(GAIN200 450秒×3枚 ビニング2)、O(GAIN200 450秒×3枚 ビニング2) ZWO EAFでオートフォーカス、EQ6PRO、ガイド鏡Pencil Borg、ガイドカメラQHY5LⅡ 、PHD2 Guiding、ステライメージ9・Photoshop CS6、で画像処理、Topaz DeNoise AI、ダーク・フラットあり

今回は2000mmで撮影してみました。歩留まり悪いです。6枚ずつ撮りましたが、半分はだめでした。それに、2×2のビニングをかけたので解像度も落ち、ちょっとひどい画像になりました。2×2のビニングはLRGB撮影で色情報だけあればいい、RGB撮影のみで使うべきですね。

Topaz DeNoise AIでちょっとは見られる画像になったかな、という程度です。Topaz DeNoise AIにはシーンに応じたいくつかのプリセットがあります。OriginalとClearとLow LightとSevere Noiseの比較です。

Denoise

オリジナルは元画像です。クリアは鮮明?Low Lightは暗くて暗ノイズの多い画像のことでしょうか。Severe Noiseはひどいノイズの画像のようです。クリアは標準的ですね。Standardというプリセットもありますが、あまり強い処理をかけないみたいで、Cearとほぼ似ています。Low Lightは天体写真にはバランスが取れていると思います。上の画像はLow Lightで処理しました。Severe Noiseはここまでやるとのっぺりし過ぎで、さすがにディテールはやや損なわれている気がします。あまり使うシーンはないかもしれません。使い方は簡単なのですが、マニュアルらしいものがないので、詳しいことがわかりません。試行錯誤したり、ネットでいろいろ調べてみたいと思います。

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