31日に内合4日前の金星を撮りました。

この日はほぼ1日中薄雲に覆われていました。予報に反して夕方奇跡的に雲が切れた隙に撮影したものです。夕方16時頃です。HD800+Powermate2.5x+ASI290MC、SharpCap、AutoStakkert(約3000枚を1%スタック)、ステライメージ、Photoshop。ピクセル等倍なので先週撮ったものと大きさの比較ができます。非常にシーイングが悪く、ぴょんぴょん跳んでいました。180度越えしているように見えますが、どうでしょう?
前日の30日は全くの快晴。その日に撮っておけば良かったのですが、仕事に行くので諦めました。いや、実は土曜日で特段必要緊急の用事があるわけでもなく、自主出勤なので休んでも誰も文句言わないのですが、なんとなく予定を曲げて撮影しても落ち着かないので止めました。まあ、前日準備していなくてちゃんと導入できる自信がなかったということもあります。
その日の夜は翌日ちゃんと導入できるように入念に準備を行いました。極軸を合わせ、明日の撮影時にだいたい金星があるあたりの適当な星に自動導入します。かんむり座アルファ星にしました。当然一発で真ん中に入りませんが、クランプを緩め手動で視野の中心に入れます。そして自動でホームポジションに戻し、一旦電源を切って再度導入。これで微調整なしに真ん中に入ればOKです。ピントもあらかじめ合わせておきます。コントラストが低いのでピントが合っていなければ視野に入っていてもまず気づかないでしょう。
さて、翌日10時くらいに撮影開始です。導入してみました。まさにど真ん中に金星があります。薄雲で非常に見にくく、自動導入失敗していたらまず探し当てるのは無理だったと思います。太陽との離角は6度。太陽光がもろに補正板を直射するので盛大なフレアが出ています。普通のフードでは役に立ちません。そこでキャンプ用のマットを丸めて超長いフードにしました。

フレアは消えました。ただそよ風でも揺れるのが難点です。午前中はずっと薄雲が覆っていて、見えなくはないのですがコントラストが低く、見栄えがしません。正午過ぎ頃にさらに薄雲が濃くなり撮影不可能になったので中断です。機材はそのままにして買い物に行き、15時頃帰ってきたら薄雲はほぼなくなり、金星は青空の中にいます。しかし子午線を過ぎると自動導入しても入りません。ファインダーでも見えないし、目くらめっぽう動かしまくっても太陽が近いので危なくてできません。諦めようとしましたが、最後の手段、太陽アライメントをすることにしました。金星のそばで目に見える対象といったら太陽しかありません。以下、手順を書きます。非常に危ないので理解出来ない方、初心者の方は絶対にしないでください。
まずあらかじめ作っておいた太陽フィルターを取り付けます。銀紙のような太陽専用フィルターを5cmくらいの直径で作りました。ファインダーは蓋をします。つい癖で覗いたり、操作中に頭を焦がしたりしないためです。その状態で太陽に向けて自動導入します。気を付けて接眼レンズを覗いてみますが、覗く前に手をかざして太陽の光が差していないことを確認します。フリップミラーなら切り替えて確かめます。さらにフィルターが被さっているか、指差し確認。ここで初めて接眼レンズを覗きます。太陽が見えなければ導入されていません。微動しながら太陽を導入してもいいですが、難しければファインダーに取り付けていた蓋を外します。後ろに手をかざすと大きく外れていなければ太陽の光が手のひらに映るはずです。微調整して太陽とファインダーの影が同心になるところまで持ってきます。レチクルが入っていればそれが影になるのでわかりやすいです。再びファインダーに蓋をして接眼レンズを覗きます。中心に持ってきてアライメントを完了します。
太陽アライメントができれば近くの金星の導入はすぐにできます。もちろん、太陽フィルターは金星導入後まで外さないでください。薄雲がないのでコントラストがよく午前中よりも鮮明に見えます。金星を撮ったあと、水星も見ようと思いましたが、導入しても全く見えません。金星よりも遥かに高いところにあるのですが、0等級くらいだと昼間は難しそうです。日没後再び探してみたのですが、ちょうど水星のあたりに雲。もうちょっとすれば雲も取れて肉眼でも見えそうだったのですが、夕ご飯の時間。日曜日はよほど特殊事情がなければ一緒に食べることになっています。水星は次に西に回ってくるまでお預けです。
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